覚園寺 〜黒地蔵

 

鎌倉十三佛霊場 第十一番札所 蓮上王 七回忌

鎌倉二十四地蔵尊 第三番札所 黒地蔵尊 

 

仏教彫刻の多彩さは鎌倉でも有数の覚園寺です。

建保六年(1218年)、二代執権北条義時が建立した大蔵薬師堂を前身に、1296年(永仁四年)、九代執権北条貞時が元寇襲来が再び起こらないことを祈念し、寺に改めました。

 

薬師堂などの境内奥の参拝は有料ですが、御住職が一時間ほどかけて丁寧にご案内いただけます。

境内には愛染堂があり、これは無料でも拝観できます。

 

案内では、まず薬師堂(仏殿)、鎌倉最大の茅葺です。

「木造薬師三尊坐像」(正面に薬師如来坐像、向かって右に木造薬師如来及日光、左に月光菩薩坐像(国の重要文化財))があります、

薬師如来坐像の前には、小さな智海心慧坐像があります。左右の壁に木造十二神将立像(国の重要文化財)があります。

北条義時の戌神将伝説の戌神将も見ることができました。

右奥に、廃寺となった理智光寺の本尊・木造阿弥陀如来坐像(県の重要文化財:鞘阿弥陀)、左奥に木造伽藍神像、木造賓頭盧(おびんずる)尊者像などもあります。 天井には、薬師堂を最終的に建てた足利尊氏自筆の梁牌(棟札)が見えます。

 

さらに奥に進み、大悲殿跡地にある茅葺の内藤家の住居、江戸時代の古民家で手広にあった住宅が移築されたものだそうです。

そして十三仏やぐら、でかいやぐらです。ここで、参拝者は蝋燭を立てることができます。

 

次が地蔵堂、地獄の罪人の苦しみを少しでも和らげようと鬼に代わって火を炊いたため「黒くすすけている」という伝説のある黒地蔵(木造地蔵菩薩立像)があります。横には六地蔵。

 

最後に黒地蔵の分身、千躰地蔵堂、小さなお地蔵様がずらりと並んでいます。

 

地蔵堂背後には鎌倉十井の一つ棟立ノ井、そして、さらに奥には4メートル近い開山智海心慧と二世大燈源智の墓(宝筐印塔・国の重要文化財)があるはずなのですが、拝観はできません。

 

また、地蔵堂裏には、鎌倉市の天然記念物であるツバキの太郎庵があります。

 

山門です。

 

山門左手の門です。

この門から入ってまっすぐ行くと拝観コースになります。

 

愛染堂です。 

愛染堂は、廃寺となった大楽寺(覚園寺までの道の途中にある駐車場のところにあったそうです)の本堂を移築したものだそうで、堂内中央に「木造愛染明王坐像」(鎌倉市の重要文化財)、左には「木造阿閦如来坐像」(神奈川県の重要文化財:鎌倉十三仏の一つですね)、右に「鉄造不動明王坐像」(神奈川県の重要文化財:試みの不動と言われています)が安置されています。